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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。

今回もふくめ、12回にわたり、「国語力はこうして伸ばそう」を連載してまいりました。

「国語のテストで問われる力」からはじまり、「これから求められる国語力」のこと、読書の有用性、「語彙力」の重要性まで、様々な角度で、国語力を伸ばすために必要なことを述べてきました。
簡単にまとめてみたいと思います。



□国語にかぎらず、言語は、そもそも言葉の意味がわからなければ理解できない

□国語は日本語なのでわかってもよさそうなのに、苦手な人がいるのは、限られた生活空間・時間の中でしか行動していないので、幅広く言葉の意味を理解する力が育っていない



□また、長い文章をふだんから読んでいない人は、長文になったとたん、内容整理ができない。



□自分の生活圏外の言葉の理解を増やすためには、たくさんの本を読むことでいろんな言葉の意味をわかるようにしなければならない



□読書をすることで、少しずつでも長い文章を読んで内容を整理したり、イメージしたりする力を高めておく必要がある



□国語の入試問題や実力テストでは、「はじめて読む文章」を「その場」で理解する力が求められるので、それに対応できる力、つまり「言葉の理解力=語彙力」「長い文章を読む力=長文読解力」が必要だが、それはテスト対策の演習だけでは絶対量が足りず、なるべく早い時期から「読書好き」=「自ら本を読む」子どもになっておくことが大切だ



□もちろん、入試問題は問いに対して正解する力も必要なので、テストの傾向、解法のコツには慣れる必要がある



これは、みなさんが国語で得点力を高めていくことを目標とした場合に、「最低限」必要なこととしてまとめてみました。

確かにテストでも高得点を取ることは、国語力を知るうえで大切な指標となります。しかしながら、そもそも言語というものは、情報を正確に伝達したり、感情や意思を表現したり、理解したり、お互いを理解しあい、ともに生活し、成長し、豊かな人生を送っていくために必要なコミュニケーションツールです。

そこには、「聞く」「話す」力(会話)や「読む」「書く」力(文章)があり、テストで診断できる力はそのうちのほんの一部分でしかありません。

これまでに多くのノーベル賞受賞者を輩出したとおり、日本の教育水準は世界的にみてとても高く、わたしたちは、すばらしい教育環境の中にいます。しかしながら、英語教育もそうですが、言語教育はけっして実際の運用能力を伸ばすプログラムになっているとは言えません。 それは、これまでの勉強が、入学試験のための学習プログラムの側面が強かったからです。

これからは、「思考力」「判断力」「表現力」が求められるようになります。入学試験でも同様です。
そして、これらの力は、テストでよい点を取ること以上に、社会生活をしていくうえで不可欠な、とてもとても大事な言語能力です。

また、「本を読むこと」で得られるのは、この言語能力の土台になる教養でもあります。
時間や空間を超えて、多くのことを学ぶことができ、それは未来を創造していくために生かすことができます。
「自分はなんなのか?」「何のために生まれてきたのか?」「人はなぜ学ばなければならないのか?」「自分は将来何をしたいのか?」など、答えが見つからないときや、悩んだり苦しんだりしたときに、見知らぬだれかがそのヒントを与えてくれる、それが読書です。
スマホやテレビゲームにばかり費やす時間は、あまりにももったいない。

世界の億万長者は、年収300万の人の38倍の読書量だというデータもあります。たった38倍の読書で、年収にこれだけの差がつくんですよ(笑)

さあ、読書好きのみなさんも、あまり本が好きでないみなさんも、自分にあった本を探して、時間の許す限り本に親しんでください!
もし、何を読んだらわからない、自分が読めるレベルの本が見つからない、という方は、Qゼミの「ことばの学校」を訪ねてください!



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。「読書指数®診断」の帳票の見方のポイント解説の最後は、③「Bテスト」=「学年語彙力診断』です。
小学校の教科書を基準にした場合に、どの学年の教科書に出る語彙がどの程度ちゃんと理解できているか? を確認していくのが、Bテストです。

「え? 小学校5年生だから、少なくとも4年生のことばは理解できているでしょ?」

とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。

ところが、なんの教科でもそうなんですが、わからないものをそのままにしてどんどん先に進んで行ったら、いつまでもわかるようにはなりませんね。
ことば力においても同じことが言えます。

逆に、本をよく読んだり、新聞をふだんから読んだり、テレビのドラマやニュースなどを見て、知らないことばが出たら、大人の人に意味を確認したりする習慣のある人は

学校学年のレベルを超えたことば力があります。

このテストを受けることで、

実際にはどの学年レベルの語彙力なのか?

ということが実によくわかるのです。

③のデータをご覧ください。
小2教科書レベル、小3教科書レベルの平均値は、それぞれ「9.3」「8.8」と高い数値になっていますね。 ほとんどの人が小3レベルくらいまでのことばは理解できていることを意味しています。

ところが、4年生になると「6.8」ポイントまで平均が下がります。小6にいたっては「3.2」ポイントまで落ちていますね。

これは、学年が上がるにつれて身の回りであまり耳にすることがないことばが、教科書の文章に出てくることを示していて、

読書をしている人としていない人でだんだん差が広がってくる

ことでもあるのです。

みなさんは、自分の学年と比べて1つ下の学年(中1の人なら、小6のことば)のことばが8点以上取れていますか?

それくらいの理解度がないと、だんだん文章理解力に影響が大きくなってきますので、もしそうでなければ、普段から、知らないことばの意味をそのままにしない心がけで、なるべく多くの文章を読む時間をもってください。

英単語を英単語として覚えるのが効率がよくないのと同じく、日本語でもことばを覚えるコツは、多くの文章に触れ、文章の中で前後関係からことばの意味を理解していくことです。

身の回りであまり耳にすることのないことば=抽象的なことばなどは、特にそうですね。

読書指数®診断には、ほかに「Cテスト」=「分野別語彙力診断」と「Dテスト」=「読書速度診断」がありますが、まず、AとBの2つの診断結果から、あなた自身の現在のことばの力=「語彙力」をしっかりと把握してください。



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ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。前回に引き続き、「読書指数®診断」の帳票の見方のポイントを解説します。



②「Aテスト」=「推定語彙量診断」の結果
学年標準語彙量と比べて自分の語彙量が多いのか少ないのか
Aテストは、35,500語見出し語のある国語辞典から無作為に選びだした50個のことばで構成されています。
「無作為」というのは、いい意味で「適当に」選んだということです。ですので、
たとえば、50問中40問(=80%)の正解率であれば、どのことばを選んできても、おおよそ80%は理解できているということになります。

ただし、厳密には語彙量は、きっちり何万語という具合に測りきれないので、○○○○語~〇〇〇〇語という幅をもった結果になっています。

まずは、帳票のほうで、②の部分を確認してください。
「学年標準語彙量」に対して、
「あなたの推定語彙量    ~     です」
となっていますね。
この数値で、あなたの学年標準より多いか少ないかがまずわかりますね。
また、「学年順位」でも、だいたいどれくらいの位置にいるのかがわかります。



上の表は、帳票と合わせてお渡ししている「帳票返却に際して」という資料のP6です。
学年ごとに、

全体=今回の受検者全体の平均語彙量

受講生=ことばの学校を受講している受検者の平均語彙量

非受講生=ことばの学校を受講していない受検者の平均語彙量

学年語彙量=過去の読書指数診断受験結果から算出した各学年の標準的な語彙量

を確認できます。
たとえば、あなたが小6で、推定語彙量が「22,000~23,000語」だったとします。
そうすると、あなたは、全体の平均くらい=学年標準と同じレベルで、ことばの学校受講生の平均よりは下だけれど、受講していないグループの平均よりは上の語彙量だということになりますね。

次回で「③ Bテスト」=「学年語彙力診断」の見方をご説明します。



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こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。

前回のコラムの中で、

本の中から語彙力を高めていきましょう

ということで、語彙のことを書きました。

みなさんは、自分がどれくらいの語彙力があるかを知っていますか?

Qゼミ生は原則、年に2回実施されている「読書指数®診断」は必須なので、今年の春以降に入会している方を除いて、これまでに何度か、少なくとも1回は受検していることと思います。この、「読書指数®診断」で、みなさんがどれくらいの量の語彙をもっているのか、学年的、年齢的にどれくらいの位置にいるのか、というのが、かなり正確につかめます。
1度だけでなく、何度か継続して受検することで、みなさんがどれくらい語彙力が変化しているかがわかるのです。

以下の表をご覧ください。



このコラムをご覧になる時期には、9月に受検した方はその結果がお手元に届いているころではないかと思いますので、以下の部分をもう一度じっくり確かめてみてください。
帳票の見方のポイントをある生徒の例を元にご説明します。



↑の画像は、ある塾の小学校4年生の結果です。①~③の部分について、見方のポイントを以下にまとめてみます。

①帳票左下にある「受検履歴」
半年、あるいは1年ごとにどれくらい推定語彙量が増えているか?
特に注意してもらいたいのは、「半年前」=前回との比較ではなく、「一年前」=前々回との比較です。


①の部分だけ拡大してみました。これは、2016年春の結果ですので、半年前が2015年の第2回(秋実施)で、一年前が「2015年の第1回(春実施)」になります。
2016年の第1回は、「26900~27700語」で、半年前は「29700~30500語」ですから、語彙量が「減った」ような感じがしますが、一年前の「2015年第1回」=「22000~22800語」と比べると

およそ8000語近く推定語彙量が増えている

のがおわかりいただけると思います。

一年間で増える一般的な語彙量の平均は、

2800語~3000語です。

それと比べると

飛躍的に語彙量が増えているのがわかりますね。

この生徒さんは、実は、学力テストでもこの一年で成績がぐんと伸びているのです。

それは「国語」にかぎったことではありません。

国語力が伸びるとすべての教科の成績にもよい影響が見られます。

次回、②と③の部分の見方のポイントに続きます。



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。

「読書と国語力」の3回目です。前回、前々回、読書と国語力の話をしてきたわけですが、特に前回は、

学校の勉強時間や塾の国語の授業「だけ」では、なかなか国語力が伸びにくいのだということをご説明してきました。
※ 確実に得点にするためのポイントやテクニック、漢字や文法などは、テストにおいてはとても重要なので、塾の国語の授業は、そのあたりをしっかりサポートしていますから、ちゃんと受けてくださいね。

なぜかといえば、

圧倒的に時間が足りないからで、足りない分、というか、十分に対応できる国語力の土台になるのが、ふだんからの読書である、ということなのです。

では、むやみに本を読んでいれば、自然と国語力がつくかといえば、

実はそうでもない。というのも事実です。

「は?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

前回、「読書は国語教育の中核である」

なんて書いていたわけですから。
確かに、本を読まない人よりも読んでいる人のほうが、全体的に国語力が高くなるのは事実です。
でも、逆に、本を読むのは好きなんだけれども、国語力に結びついていない、という人がいるのもまた事実なのです。

国語力の土台となるもので、根幹になるものとはなんでしょう?

それは、「語彙力」です。

ここでみなさんにお伝えしたいのは、せっかく本を読むことの楽しさを覚え、読書することが習慣になってきたら、本を楽しむだけにとどまらず、

本の中から語彙力を高めていきましょう

ということなのです。

「語彙」とは、「一つの言語の、あるいはその中の特定の範囲についての、単語の総体」のことです。わかりづらいですね。わかりやすく言い換えると「ある特定の範囲内のことばのあつまり」のことです。
たとえば、特定の範囲とは「日本語」のことであり、その中でのことばのあつまりですから、
「社会」「家」「家族」など、1つひとつのことばをまとめて「語彙」といいます。
同じ日本語でも、「古典」(昔の日本語)で使われていることばは現代のものと異なるのはご存知でしょうか(中学生以上の方は知っていますね)?

むかしむかし、「竹取のおじいさん」と呼ばれている人がいました。

「むかしむかし」「おじいさん」「いました」この3つのことばがわかれば、意味はわかります。
これらのことばは「現代語」の語彙です。

これを古典(元々の文)に戻すと

今は昔 竹取の翁(おきな)といふものありけり。

となります。
「今は昔」「翁(おきな)」「ありけり」は「古典」の範囲における「語彙」です。これらの意味がわからなければ、この文の意味を理解することはできません。

語彙力というのは、このように、一定の範囲でどれくらい語彙が理解できるか? その能力のことをいいます。

どれくらいことばを知っているか? ということですね。

みなさんは、自分がどれくらい語彙力があるかを自身で把握していますか?

次回に続きます。



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。

「読書と国語力」の2回目です。ちょっと難しい内容に触れていますが、がんばって最後まで読んでください。まずは前回のおさらいから。

前回のまとめの部分で、わたしは
「多岐にわたる情報の理解力を高める目的としての国語の学習時間は、圧倒的に少ない」と述べました。

では、実際に学校教育ではどれくらいの時間が当てられているのか確認してみましょう。
まずは小学校


続いて中学校

文部科学省「現行学習指導要領」より 主要教科のみを抜粋

小学校に入学すると「ひらがな」「カタカナ」を、時間をかけて学習しますので、たっぷりと時間が取られています。しかし、学年が上がり、他の教科学習時間が増えるにしたがい、国語の時間はどんどん減っていますね? 中学生にもなると、さらに国語の学習時間は減り、中3では実に、週2時間程度にまで減ってしまいます。

他の勉強が増えると、なにかを減らさねばならないのは当然のことです。しかも、
他の教科も、「日本語で学習する」わけですから、「国語」の時間だけではなく、わたしたちは「日本語」を学んでいるとも言えます。
しかし、児童・生徒であるみなさんは、そのようなことを意識して、様々な教科の勉強に取り組んでいますか?
他の教科の成績が伸びると同時に国語の成績も伸びていくものなのでしょうか?
学習の目的そのものが異なるわけですから、そううまくはいかないですよね?
それに、たとえば、小4で学習する「ごんぎつね」。
黙読するだけなら、17分で読み切れるこのお話を、学校ではなんと10時間~15時間もじっくり時間をかけて勉強します。たった十数ページの物語に10時間以上をかけるのです!
名作中の名作ですから、すべての児童が内容を理解してくれる必要があるのも確かです。しかし、これでは、新美南吉には、ほかにもたくさんの名作があるのに、その他の作品を読む時間は、残念ながら確保することはできないでしょう。たくさんのお話に触れた方が楽しいし、もっとほかの本も読んでみたいという気持ちになるのではないでしょうか?

ここで、話題を変えます。実は、文部科学省が、H16年2月ですから、今から12年も前に「これから求められる国語力について」と題した、文化審議会の見解を公表しています。
参照URL
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04020301.htm

その中で、「国語教育」については、

<国語教育は社会全体の課題>

として、以下の通り述べています。

国語教育に関し、特に重要な役割を担うのは学校教育であるが、その中でも小学校段階における国語教育は極めて重要である。しかし、言葉にかかわる国語教育の問題は学校教育だけに限定できるものではない。家庭や地域社会における言語環境が、子供たちの国語力に大きな影響を及ぼしていることに配慮し、学校教育、家庭教育、社会教育などを通じて、国語教育を社会全体の課題としてとらえていく必要がある。

また、「国語力を身に付けるための国語教育の在り方」の中で

<「自ら本に手を伸ばす子供」を育てる>の項目の中では

国語教育の中で、「自ら本に手を伸ばす子供」を育てることを考える必要がある。読書は、国語力を形成している「考える力」「感じる力」「想像する 力」「表す力」や「国語の知識」のいずれにもかかわり、これらの力を育てる上で中核となるものである。特に、すべての活動の基盤ともなる「教養・価値観・ 感性等」を生涯を通じて身に付けていくために極めて重要なものである。

とも述べています。

そうです。
国語力を伸ばすには、

「学校教育だけに限定できるものではない」のであって、

「読書は、国語教育の中核をとなるもの」であり、

「自ら本に手を伸ばす子供」を育てることが必要だ

ということのなのです。



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。
前回までの入試問題の紹介を経て、今回からは、「読書と国語力」について述べたいと思います。

現在行われている入学試験では、いろんな小説や論説文が出題され、読んだこともない文章の理解力が求められたり、「表」や「グラフ」、あるいは「会話文」を読み取って、分析し表現することが求めれることをご説明しました。
「国語は定期テストではそこそこ点数取れてるのに、実力テストや模擬テストでは点が取れないんだよな~」とか
「漢字や知識でしか点が取れないから、やってもしょうがないよね」 とか、
国語は、数学や英語に費やす時間と同じようにがんばっても、なかなか点数の伸びにつながらないのは、「読んだことのある文章が出にくい」点です。

ということは、

「読んだことがなくても、その場で理解できる土台をしっかり作っておけばよい」

ということです。

そのためには、

1.ふだんから漢字の学習を怠らない。

2.漢字はただ暗記するのではなく、意味を理解する覚え方をする。

3.意味を覚えるだけではなく、文章の中で生きたことばとして理解する。

4.できるだけ語彙力を高める

5.そのためには、知らないことばに出会ったら、放置しないで意味を考える

6.意味を考えるときに、いちいち辞書に頼らず、文章の前後から意味を推し量る

7.ふだんから長めの文章を短時間で読める集中力を高めておく。

というような文章の読み方をしておくことをお勧めします。

要約すると「漢字」と「ことばの知識」を増やす学習を国語の中心にする。

ということですね。

「面倒臭い」「うざい」「時間がない」「楽しくない」

と思ってはいけません。

漢字練習はさておき、これらを一気にできる方法が「読書」なのです。

ひと言で、「ことばの知識」と書きましたが、世の中はさまざまな情報であふれています。一般社会に関連するものだけでも、「親子」「兄弟(姉妹)」など血縁関係から「町内会」「学校」「クラブ活動」「会社」「サークル」「お稽古事」「市町村」「都道府県」「日本」「諸外国」など狭い範囲から広い範囲までの社会活動や、その営みの中で関連する「共存」「共生」「指示」「命令」「協力」「賛成」「反対」「社会保障」「少子高齢化」「政治」「経済」……。数え上げたらきりがありません。それぞれについて、常識とか、自分の感じ方、考え方、他人の感じ方・考え方とか、生きていくうえで理解の必要な情報や知識がうんざりするありますよね。

世の中には「知らない」「知らなかった」ではすまないことが身近なことでも数多く存在します。情報化社会とは、実にやっかいです(笑)。

では、どうやって、この多種多様でややこしい情報や知識を理解し、それに対応していくか?
そのための1つの手段として、速く正確に読み取る力を高めることがあげられます。人間には等しく与えられた時間があります。ゲームに夢中になる時間も、まったくなくては楽しくないでしょう。しかし、残念ながら与えられている勉強時間だけでは、このようにうんざりするほどの情報を理解するだけの「ことばの知識」は得られないのです。効率よく、短時間でより多くの情報に触れることが必要です。なぜなら、多岐にわたる情報の理解力を高める目的としての国語の学習時間は、圧倒的に少ないからです。

次回は、文部科学省が「読書と国語力の関係をどのように表現しているか?」ということも紹介しながら、国語の学習時間がいかに少ないか?ということを説明します。



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。

前回、
2020年の大学入試制度改革後の「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題、具体的には
「資料(表やグラフ)を読み取って、正しく分析し、それを表現する」力  が問われるようになることをご紹介しました。

文科省から発表された例題も紹介しましたが、ご覧になりましたか?
まだの方、また、忘れてしまった方は、前回のコラムをご参照ください。
さて、前回予告したとおり、今回は変わりつつある、中学入試問題、高校入試問題を少しご紹介していきたいと思います。

【図1】でご紹介しているのは、H28年度 神奈川県立中等教育学校入学者決定検査(やたら長い!)の問題の一部です。

ちなみに、県立中等教育学校ということで、義務教育課程の試験ですから、「入学試験」ではなく、「入学者決定検査」となっているところに細かな配慮を感じますね。

さて本題です。問題文をよーく読んでみてください。

〔資料〕の文章から「仮想水」という考え方を通して筆者が伝えたかったことは何かを書き、そのことと〔グラフ〕をふまえて、〔会話文〕の中の下線部「限られた地球の水資源をむだにしていた」について、あなたは今後の日々の食生活の中で具体的にどのようなことをするのが望ましいと思うか、全体で120字以上150字以内で書きましょう。

いかがでしょうか。最後の最後、「書きましょう」が大学入試の場合は「書きなさい」になっている以外、ほとんど問われていることは同じです。
続いて、高校入試を見ていきましょう。
【図2】です。

本文中の□に適する「Aさん」のことばを、次の①、②の条件を満たし、全体で七十五字以上八十五字以内の一文で書きなさい。

こちらのほうは、文末の「書きなさい」までまったく同じです(笑)
というより、大切なのは、「表」「グラフ」「会話文」理解・分析・判断と理解した内容を短時間で整然と記述できる表現力です。

【図1】


【図2】-1


【図2】-2


これらの問題はあきらかにこれまで問われていた「心情の理解」「意見の読み取り」とは異なります。 いわゆる学力の国際比較に使用される「PISA型」と呼ばれ、「ゆとり世代」以降、日本の国際順位が下降傾向にあったことから、こうしたタイプの問題が国内の試験にも適用されてきたのです。

とはいえ、こうした分析力・判断力・表現力というのは、実際にわれわれが社会活動をし、広く社会貢献していくうえで、実践的で有効な力です。

中学入試・高校入試・大学入試、すべての年代で今後このような問題が増えていくことは間違いのないことでしょう。

「え? 読書とかけ離れている?」 違います。次回からはこれらの国語力の土台には、読書習慣が欠かせないということ、そこから身に着けていきたい力という話をしていきます。



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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。
わたしは、第1回のまとめとして以下のことを書きました。
「『国語』で問われる力とは、まず、多くのことを学ぶための、どのような種類の文章でも、いつの時代のことでも、どこの国の話でも、はじめて読んだ文章であっても、正しく理解できる力のことです。学力テストでも、入学試験でも、その力が問われます。
そのために必要な日々の学習とは、たくさんの言葉を知ること、たくさんの文章を読んでおくことがとても大切になってきます。」

また、前回のコラムでは、国語の問題において、どんなことが問われるのか、というテーマで
物語・小説:「心情の理解
論説文:「事実と問題点
読み取る力が中心になることをご説明しました。

ところが、ここ近年、求められる国語力が様変わりしてきました。
みなさんは、英語が4技能と言われる「聞く」「話す」「読む」「書く」力、つまり、会話も読み書きもできる学習に変わってきているのはご存じだと思います。
あまり意識されていませんが、これは英語に限ったことではなく、日本語=国語においても同様に教育の質の変化が求められてきているのです。
考えてみれば当たり前のことで、自分たちのふだん使っている「日本語」できちんとできないことが、外国語である「英語」を使ってできるようになるわけはないのです。

また、2020年の大学入試制度改革で、これまでとは異なる学力が求められるようになります。今、文部科学省の方を中心に、具体的にどんな問題にしていくかが日々検討されています。
昨年末に例題が公表されました。

今回は、まだまだ先の話(?)に感じてしまいますが、その大学入試の例題をご紹介しますので、解いてみよう! なんて考える必要はないので(笑)、ちょっと読んでみてください!




ここで求められているのは、
「資料(表やグラフ)を読み取って、正しく分析し、それを表現する」力です。
2020年の大学入試制度改革では、国語科の問題にかぎらず、「思考力」「判断力」「表現力」が求められるようになります。


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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生


こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。
前回は、神奈川県の公立高校共通選抜で出題された著書をご紹介しました。今回は、具体的に問われる問題をご紹介します。なお、今回は、現代文(小説・論説文)だけで、古文や詩・短歌・俳句(「韻文」といいます)は省略します。

ちなみに、中等教育学校の問題では、多くの場合、問われる内容が異なりますが、私立や国立の中学入学試験でも、設問の内容はレベルもあわせてほとんど同じです。
学校の定期テストや学力テストは、基本的に同じような設問になっていますので、

「どんなことが問われるのか?」

を事前に知っておく、しっかり意識したうえで問題に臨むと、試験のときの時間を有効に使うこともできますし、解くときの集中力アップにつながるでしょう。



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簡潔にまとめるなら、

場面・情景の理解:いつ、どこで、だれが、何を、どうしたのか(何が起きたのか?)

場面の変化:ストーリーがどう変わっていくか?

心情(気持ち)の変化:ストーリーが変化していく中で、登場人物の気持ちにどんな変化があったか?

主題=テーマ(作者から読者へのメッセージ):みんなに伝えたいことは何か?

ざっとこんなことが問われます。

ずいぶん長い間、日本では国語力というと、

作中人物の心情(気持ち)を理解することがとても大事にされてきたんですね。
これは大学入試センター試験でも特徴的に表れていて、
小説の読解ではなんと5問中4問「心情」の理解に関する問題でした。

「文章を読んで、人の気持ちを理解する」というのは「学力」なのか? という疑問がぬぐえません……。
が、
はっきりと書かれていないことを文章全体から読み取る=察する力
は、日本語の場合はとても大事にされてきた「文化」ともいえるものなので、苦手な人は、本を読んでいく中で、あるいは、国語の学習をしていく中で、

「心情語=気持ちことば」

をたくさん身に付けていくことが必要です。


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どちらかというと「苦手」な人、多いですね。しかし、

実は小説より「楽」です。

なぜなら、

はっきりと書かれている内容を読み取ればよいからです。

すごく、すごく簡潔にまとめると

1.話題(何について)

2.問題提起(何が問題なの?)

3.具体例(実際にどんなことがある?)

4.主張(どうすればよいの?)

5.反証(確かに反対意見もあるよね。)

6.結論+理由(でも、やっぱりこんな理由で、こうしなければいけないんだよ。)

ということが書かれていることがほとんどです。

上記の1.~6.がわかりやすく形式段落になっているので、段落ごとに

はっきりと書かれている内容を読み取ればよい

それに、出題されるほとんどの文章が

わたしたちの日常や未来にとって、とても重要な問題であることが話題ですから、

ふだんから社会で起きる様々なことがらに目を向けておくこと

これこそがとても重要なのです。

設問も、

何が=話題

どういけなくて=問題点

どうすればいいのか=筆者の主張(これを「要旨」といいます)

を読み取れているかを問うものです。

大事なことは、身の回りのこと=「自分にも起こりうること」であろうが、世界のどこかのこと=「自分とは一見、関係なさそうなこと」であろうが、常に問題意識をもって注目しておくことではないでしょうか。


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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生

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こんにちは。ことばの学校事務局の須藤です。
第2回、第3回にわたり、これまで実際に入学試験で問われてきた「国語」の力について確認していきたいと思います。


まずは前回のおさらいから。

「国語」で問われる力とは、まず、多くのことを学ぶための、どのような種類の文章でも、いつの時代のことでも、どこの国の話でも、はじめて読んだ文章であっても、正しく理解できる力のことです。学力テストでも、入学試験でも、その力が問われます。

こう書きました。

ここでみなさんに質問です。以下の本のタイトルをご覧ください。20冊あります。
これらの本で、読んだことがある、もしくは、この本以外で( )内の著者の作品を読んだことがある、というものを数えてみてください。

「 」は本のタイトル ( )は著者 ※敬称略

「春や春」(森谷明子)
「竹とんぼの坂道」(石川たかし)
「幕が上がる」(平田オリザ)
「迷子の大人」(坂井希久子)
「ずっと忘れない」(はらだみずき)
「草の上で愛を」(陣崎草子)
「モデラートで行こう♪」(風野潮)
「阪急電車」(有川浩)
「スコーレ No.4」(宮下奈都)
「ひとがた流し」(北村薫)

「〈自分らしさ〉って何だろう?」(榎本博明)
「読書の方法」(吉本隆明)
「『窓』の思想史」(浜本隆志)
「いまを生きるための教室 死を想え 」(島田雅彦)
「食べる」(西江雅之)
「美しいをさがす旅にでよう」(田中真知)
「よくわかる環境社会学」(丸山康司)
「森と人間」(田嶋謙三・神田リエ)
「自分のためのエコロジー」(甲斐哲郎)
「おはようからおやすみまでの科学」(佐倉統・吉田ゆかり)

いかがでしたか? 何冊読んだことがありましたか?

実は、これら20冊の本は、過去10年間、神奈川県公立高校の入学試験、国語の問題に出題された作品なのです。上の10冊が「物語・小説」、下の10冊が「論説文」です。

学校の教科書で習う文章でもありませんし、楽しんで読む本ばかりでもありません。入試対策として過去問を解いたことがある人以外は、ほとんど読んだことがない本ばかりではないでしょうか?

だからといって、この20冊をすぐに読みましょう! ということをここでみなさんに伝えたいわけではありません(もちろん、読んだ方がよいですよ!)

ただ、入試のように実力を試される場では、「物語・小説」「論説文」(+「古文」)のジャンルについて、ふだん読まない本でもその場で理解できる力が求められるということは知っておいてほしいと思うわけです。

次回では、どんな設問が中心になっているのかをご紹介していきます。


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国語力は、こうして伸ばそう!

ことばの学校事務局長 須藤孝行先生

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こんにちは、須藤です。今月からQゼミWeb通信の場をお借りして、国語力を高めていくために必要なこと、みなさんの国語力を高めるために、Qゼミが取り組んでいることを12回にわたってお伝えしていきます。私自身、Qゼミでも指導していたことがありますので、少しでもゼミ生の力になれたらうれしいです。


さて、Qゼミで日々、学習に取り組んでいるみなさんは、

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って、いったいなんだろう? と考えたことはありますか?

漢字? ことわざ・慣用句(かんようく)? 物語文? 説明文? 古文?
そうです。どれも正解です。でも、ここではちょっと違う見方をしてみます。


日本では、ずっと以前から「国語」と言われてきましたが、こんな言い方をする国はほかにはありません。イギリス・アメリカは「英語」、ドイツなら「ドイツ語」、フランスなら「フランス語」です。同じように考えれば「国語」は「日本語」です。
日本人なのに「日本語」を学習するのは変な感じに聞こえるかもしれませんが、わたしたちは「国語」の授業で「日本語」を学習しているわけですね。
この点をふまえて、国語で学習することを、角度を変えてとらえてみましょう。
「国語力」とは、日本語で「聞く」「話す」「読む」「書く」力のことです。
この中で、学校でも塾でも、学習の中心になっているのは、「読む」力、「書く」力です。
日本語で書かれた文章を正しく読み取り、正しく表現する(書く)ことができるようになるための学習が国語です。

入学試験や学力テストでも、この能力が正しく身についているかが問われるのです。
これまでのテストでは、特に「読み取る力」(難しくいうと「読解力」)が問われてきました。
「聞く」「話す」力も同じですが、日本人なのに、日本語で書かれた文章が理解できないのはおおいに困りますね。日本人なのに、日本語で文章が書けないのもおおいに不便です。

ですから、日本語で書かれた、どんな文章でも理解できる力、どんなことでも表現できる、人に伝えられる力がもっとも大切だということは、これでおわかりいただけたと思います。

しかしながら、ふだん毎日使っている日本語なのに、毎日の生活ではあまり困ることがない日本語なのに、国語のテストとなると点数が取れない、国語は苦手だ、という人も少なくないのではないでしょうか。
それはどうしてなのでしょう?


みなさんが日常生活を過ごしている空間、時間というものには限りがあります。
家→学校→習い事または塾→家→学校…… 会話をするのも、家族、友だち、学校の先生など、ほとんど毎日同じでしょう。
しかし、世の中にはたくさんの人がいて、たくさんのできごとがあり、たくさんの考え方や意見があります。国が違えば、また違う考え方をする人がいて、異なる文化があります。また、歴史を振り返れば、今とは違う生活があり、違う感じ方や考え方をして、それが時代によっても変わってきます。


そうです。わたしたちは、現在のこと、過去のこと、違う国のこと、あまりにも多くのことを学習しなければならない時代に生きているのです。ですから、少しでも多くのことを知ることが求められますし、よりよい生活、よりよい時代を築くためには、多くのことから学び、そして、多くの人に認めてもらえるものを創造していくことが重要になります。


「国語」で問われる力とは、まず、多くのことを学ぶための、どのような種類の文章でも、いつの時代のことでも、どこの国の話でも、はじめて読んだ文章であっても、正しく理解できる力のことです。学力テストでも、入学試験でも、その力が問われます。
そのために必要な日々の学習とは、たくさんの言葉を知ること、たくさんの文章を読んでおくことであり、それがとても大切になってきます。

さらに、日本語は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字と、たくさんの表記方法があります。とりわけ、漢字は小学生のうちだけでも1006字。意味や使い方を正しく理解しながら、漢字の読み書きもこつこつと続けることが必要です。


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